耐震補強設計について

耐震補強設計とは

耐震診断で倒壊する可能性があると判断された場合は、倒壊しないためにどのように補強するか、計画を立てる必要があります。そのための設計を補強設計といいます。

図面と建物を確認した結果から耐震性を算出

家屋の重さ、外回り、室内、小屋裏、床下、劣化のチェック項目の結果を、耐震診断ソフトにより現状の耐震性を算出、そこから改修計画案を作成します。

上部構造の評価現状
方向 壁の耐力
Qu(kN)
配置低減
係数 eKfl
劣化低減
係数 dK
保有する耐力
edQu(kN)
必要耐力
Qr(kN)
評点 判定
2F X 38.228 1.000 0.895 34.204 45.531 0.751 倒壊する可能性がある
Y 53.821 1.000 48.156 1.057 一応倒壊しない
1F X 56.577 0.663 33.587 82.490 0.407 倒壊する可能性が高い
Y 96.652 1.000 86.478 1.048 一応倒壊しない
上部構造の評価現状
1F 2F
方向 X Y X Y
壁の耐力
Qu(kN)
56.577 96.652 38.228 53.821
配置低減
係数 eKfl
0.663 1.000 1.000 1.000
劣化低減
係数 dK
0.895
保有する耐力
edQu(kN)
33.587 86.478 34.204 48.156
必要耐力
Qr(kN)
82.490 45.531
評点 0.407 1.048 0.751 1.057
判定 倒壊する可能性が高い 一応倒壊しない 倒壊する可能性がある 一応倒壊しない
上部構造の評価改修計画案
方向 壁の耐力
Qu(kN)
配置低減
係数 eKfl
劣化低減
係数 dK
保有する耐力
edQu(kN)
必要耐力
Qr(kN)
評点 判定
2F X 57.388 1.000 0.900 51.604 45.531 1.133 一応倒壊しない
Y 53.821 1.000 48.439 1.063 一応倒壊しない
1F X 106.454 1.000 95.808 82.490 1.161 一応倒壊しない
Y 96.652 1.000 86.986 1.054 一応倒壊しない
上部構造の評価改修計画案
1F 2F
方向 X Y X Y
壁の耐力
Qu(kN)
106.454 96.652 57.388 53.821
配置低減
係数 eKfl
1.000 1.000 1.000 1.000
劣化低減
係数 dK
0.900
保有する耐力
edQu(kN)
95.808 86.986 51.604 48.439
必要耐力
Qr(kN)
82.490 45.531
評点 1.161 1.054 1.133 1.063
判定 一応倒壊しない 一応倒壊しない 一応倒壊しない 一応倒壊しない
上部構造評点(保有する耐力) 判定
1.5以上 倒壊しない
1.0以上~1.5未満 一応倒壊しない
0.7以上~1.0未満 倒壊する可能性がある
0.7未満 倒壊する可能性が高い

耐震診断結果は評点で表されます

  • ①0.7未満の場合は、「倒壊する可能性が高い」
  • ②0.7以上~1.0未満の場合は、「倒壊する可能性が有る」と表現されますが、生命重視型の評価で地震が起きたときに逃げる時間を稼ぐための耐震性です。
  • ③1.0以上~1.5未満の場合は、「一応倒壊しない」
  • ④1. 5 以上は「倒壊しない」

※ 「1 階東西(X)南北(Y)2 階東西(X)南北(Y)」の壁の強さで評点が4つ表されます。
4つの評点の内、一番低い点数がその家の評価になります。

壁の配置バランスは重要

現状 0.407
改修計画案 1.063

赤い線は壁を強くする箇所です。赤の●は重心(家の一番重い中心)、緑の◇は剛心(壁の強さの中心)、偏心距離とは重心と剛心の距離です。重心●剛心◇が離れていると、壁のバランスが悪くなります。

壁のバランスが悪いと、地震が起きた時ねじれて倒壊する可能性が高くなります。

改修計画では、壁のバランスを確認しながら(重心と剛心を近づける)壁を増やしていきます。